吉里颯洋の年甲斐ない日記

作詞家・吉里颯洋のブログ

【作詞教室・爽塾】2023年後期_Lesson06

私こと、吉里颯洋がオンラインにて主宰している「作詞教室・爽塾」。生徒さんの声も交えながら、2023年後期6回目のレッスン・レポートをお届けします。

奇しくもレッスンの開催日がクリスマス当日になったため、レッスンの開始時間を定刻より早めました。あえて写真は載せませんが、少しでも楽しい雰囲気になればと思い、今回はクリスマスにふさわしい衣装(?)を着て、レッスンに臨みました。これはオンライン・レッスンならではのメリットかも。もし、対面のレッスンを行なっていれば、「着替え用の衣装を持ち運ぶのは大変!」と思って当然ですから。

 

1限目の内容は・・・

まずは、幾度もリライトを重ね、遂に8回目の提出となった作品「SWEET LITLE CHERRY」は完成まであとわずかのところまで来ています。前回ダメ出しをした箇所はレッスンのその場で正解を明かしたい気持ちをグッと抑えてリライトをしてもらったので、今回提出される歌詞で完成するのかどうか、講師の自分もドキドキでした(笑)。正直言いますと、今回の提出で該当箇所が思わぬ方向に修正されていたら、正しい方向に導けなかった自分の至らなさをお詫びしつつ正解を明かし、この作品のリライトについては打ち止めにする覚悟をしていたのです。けれど、生徒さんが見事にストライクを投げてくれて、歌詞は無事に完成しました。完成版の歌詞「SWEET LITTLE CHERRY」はこちらでご確認ください。クリスマスの夜に、生徒さんがリライトにリライトを重ねて仕上げた歌詞に「⭕️」が付けられたのはつくづく良かったなとしみじみ。どこをどう直したのか修正のプロセスが後から見て分かるようように、「歌詞を修正するごとに修正箇所には違う色を付ける」というルールがあるため、7度のリライトを重ねたワード・ファイルは色とりどりの虹色に輝いています。まるで、生徒さんの尊い努力を音楽の神様が照らしているかのようです。毎度同じことを言いますが、この作品のリライトで学んだこと、得たことを他の作品の創作時、もちろんリライトの際にも活かしてくださいね。そうすることで、上達のスピードがアップします。

 

2限目の内容は・・・

続いて、前回のレッスンで企画をあたためたクリスマスソングのレビュー(講評)を行いました。爽塾始まって以来初となる「クリスマスシーズンにクリスマスソングを作ってみよう」企画だったのですが、生徒さんの作品をチェックしたうえで自分の反省点を挙げるとするなら、「クリスマスソングを作る際、外せないポイント」をもっと明確にして、企画に落とし込むべきだったかなと思います。JPOPにおけるクリスマスソングには、「イエスキリストの生誕を祝う」という宗教的な要素は不要ですが、クリスマスソングを作詞するにあたっては以下のようなポイントを抑えるとベターです。

1)歌詞で描写できる季節、楽曲が聴かれる期間がクリスマスシーズンに限られるため、できるだけオリジナリティのある表現で季節感の描写を適宜盛り込む

2)伝えたいメッセージをシンプルかつピュアな表現に落とし込む
 ※登場人物、特に主人公がクリスマスにしたいことは何なのかを明瞭に描写しましょう。「好きな人に告白したい」「プロポーズしたい」「家族に感謝したい」など、どんなテーマであれ、この季節ならではの表現に落とし込めると良いですね。

3)クリスマスソングのスタンダードナンバーの曲名、フレーズなどを引用した場合は、原曲に込められたメッセージもきちんと理解したうえで自作の歌詞に活かす
 ※なぜ、それが必要なのかと言えば、スタンダードナンバーの歌詞やメロディは既に知られていて、あなたが書く新作のクリスマスソングは誰も知らないからです。

こうした配慮が必要なので、ビギナーの方がトライするには少々ハードルが高く、難しかったかもしれないですね。

以下、生徒さんの苦労がしのばれるコメントを引用しますが、今回は「がんばって初稿を仕上げましたね」と労う他ありません。

ということで、地道なリライトを重ねて歌詞が成長していくことを期待したいと思います。ちなみに、洋楽テイストの課題曲の完成度の高さを考えれば、「クリスマス」という単語は英語の「Christmas」というワード同様、2音に乗せた方がベターかと思います。

レビューの後には、クリスマスならではのスペシャルなギフトとして、田村信二さん作曲の課題曲に私自身が歌詞をつけ、田村さんご自身のディレクションによりレコーディングされたデモを生徒さんに聴いてもらいました。この作品はまだ世に出ていない作品なので、生徒さんが目を輝かせて聴いてくださったのは嬉しい限りです。

時間が余ったので、クリスマスソングの中でも新しめの曲をJPOPのカテゴリーからセレクトしてご紹介。どの曲も、↑に挙げたポイントは余裕でクリアしているはずなので、そんな視点で味わってみてくださいね。

こんな内容でクリスマスに開催されたレッスンは無事に終了。次回は、このクール2曲目の課題曲を聴いて企画を練るレッスンとなります。リライト作品の提出も楽しみに待ちたいと思います。


Power to The Songs !

歌に力を! 

 

※所沢駅西口前のクリスマスツリー。11月から約3ヶ月間、ライトアップが続くため、1年のうちの1/4はクリスマス気分で暮らせるのがこの街の魅力です(笑)。


 

 

442 / The Best of Song On the Web Vol.2