吉里颯洋の年甲斐ない日記

作詞家・吉里颯洋のブログ

【作詞教室・爽塾】2023年後期_Lesson08

私こと、吉里颯洋がオンラインにて主宰している「作詞教室・爽塾」。

生徒さんの声も交えながら、2023年後期8回目のレッスン・レポートをお届けします。

1限目の内容は・・・

今回は、課題のレヴュー(講評)がメインテーマ。まずは、前回、2度目の提出にして予想以上の高得点を叩き出し、ゴールが見えてきたクリスマスソングからレヴューを行いました。結果は、もう一息でゴールイン、完成はならず、というところでした。とは言え、「あぁ、完成しなかった」とがっかりすることはありません。歌詞はちゃんと成長していますから。以下、レヴューしたポイントです。
・ブリッジの最後の行のラストに関しては、歌詞の最後の1文字「い」をそのまま伸ばすのは、語感的に今ひとつなので、サンプル歌詞を参考に再考を。
・2番のサビのラストについては、プレゼントを手にした時のヒロインの感情をメロディにうまくフィットさせつつ、1番の同じ箇所とのコントラストを描いてみましょう。

ということで、クリスマスソングの歌詞の完成は、次回以降に持ち越しに。続いて、新たな課題曲に取り組んだ新作の歌詞のレヴューへ。

そもそも、生徒さんが「辛い思いをした方、現在している方、頑張る方への応援歌。 辛い思いをしながらも頑張って生きてきた方への応援歌」というテーマを設定したのは、歌詞の企画にあたって「(男女が出会って恋に落ちてという設定の)普通のラブソングではなく、メッセージソングを作りましょう」というお題を指定したからなのですが、「メッセージソング」という直接的な表現がよろしくなかったかも?と少々反省しました。そう言うよりは、「普通のラブソング以外の要素が含まれていればOK」というくらいの緩い感じの方がベターだったのかもとも思いました。と言うのは、生徒さんが描こうとしている「恋人に先立たれた女性が立ち直っていく」ストーリーを前述の「応援歌」的なテーマに結び付けるのは少々無理があると感じたからです。

両親に先立たれることは多くの人が経験することですが、先立つ人が恋人ならば話はまた別。ヒロインがシンガーソングライターであればなおさら、亡くした恋人との思い出や彼への思いを自作の歌に込めていたはず。大きな喪失感の中で、彼との思い出が詰まった歌を歌い続けるのは難しくて当然です。いや、歌えなくなって当然です。リアリティのあるストーリーを企画することにおいては「爽塾」のささやかな歴史を振り返っても屈指の実力がある生徒さんなので、「元の企画書にあった『ピアニスト』という職業に設定を変えてみては?」という提案をしました。そうすることで歌詞の背景にあるストーリーのディテールに齟齬がなくなり、リアリティの向上に繋がるのでは?という思いがあったからです。さらに言うと、ヒロインが悲しみから再起するストーリーとは言え、リライトする期間も含め、この作品に長期間携わる生徒さんのメンタルのことも配慮しました。「聴いてくださる方を励まそう」と思って書き始めた歌詞に取り組むのが苦行になっては元も子もないですから。


2限目の内容は・・・  

休憩を挟んだ2限目でも、引き続き、この歌詞のクオリティアップのためのあれこれをお話していきました。まずは、ほぼ同じような体験をした女性シンガーの方のインタビュー記事を紹介して、その女性が失意から立ち直って再び歌い始めたプロセスなどについても言及。さらに、シチュエーションに多少の違いはあれど、大切な人に先立たれた後に残された主人公を描いた自作の歌詞を2篇紹介し、曲も併せて聴いてもらいました。ビギナーの方が取り組むには少々ハードなテーマですから、少しでもヒントになればと思い、さまざまなリファレンスを提示した次第です。

レッスン後にフィードバックした歌詞のファイルには、以下のコメントを添えました。

「ヒロインと同じくらいの悲しみを味わった人を励ましたいというのは目標としては素晴らしいのですが、人の悲しみのディテールも深さも十人十色です。とてもデリケートなテーマなので、まずはリアリティの向上を念頭に置き、ストーリーのディテールを再考すると共に、ヒロインの現況と心境を描き切ることを念頭に置きましょう」

 

爽塾のレッスンでは、基本的に受講生が書きたいテーマで自由に歌詞を創作していきます。今回のように多少の方向性を指定する場合も同様で、歌詞を評価する際も、まずは「書こうとしたテーマに添った内容になっているか?」というポイントでチェックしていきます。新しい課題は受講中の生徒さんにとっては初トライになる尊いテーマでの作詞ですから、このタームが終了する3月末までにぜひとも完成させて欲しいところです。

さて、次回のレッスンは、このターム3曲目の新しい課題曲を聴いて企画を練る回。このタームでは、少しでもモチヴェーションが上がるよう、生徒さんの成長具合に合わせて、その都度、課題曲を選ぶようにしているので、これからじっくり悩んで選曲したいと思います。

 

Power to The Songs!

 

歌に力を!

 

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