吉里颯洋の年甲斐ない日記

作詞家・吉里颯洋のブログ

【作詞教室・爽塾】2024年前期_Lesson03

私こと、吉里颯洋がオンラインにて主宰している「作詞教室・爽塾」。

生徒さんの声も交えながら、2024前期3回目のレッスン・レポートをお届けします。

1限目の内容は・・・

「作詞の実際」と題して、座学の2回目の講義でした。

主な内容は以下の通りです(一部抜粋)。

0)タイトルの重要性
1)サビの歌詞の作り方
 ・サビの条件とは?
 ・作り方のポイント 

この項は、このターム初回のレッスンでのコンサル時に、今後の半年で生徒さんに克服してもらいたいテーマとして掲げた内容とズバリ一致するので、いつにも増して力を入れてお話しました。端的に言えば、「曲のテーマが効果的に集約され、覚えやすく、口ずさみやすい」のがサビの歌詞の条件になりますが、これをいかにして作るか?となると、一筋縄ではいきません。生徒さんの好きなアーティストの作品を実例としてピックアップしてレクチャーしたので、「なるほど!」と思ってもらえたら良いのですが。ただ、作詞におけるサビの作り方は最重要項目の1つとも言えますから、生徒さんにはテキスト改訂で加筆された箇所を課題の提出時には読み返していただき、このハードルをクリアして欲しいと思います。その後は、歌詞の他のパーツの作成についてのお話。

2)Aメロの歌詞の作り方
3)Bメロの歌詞の作り方
4)その他のパートについて
5)2番以降への展開について
6)グレードアップのための工夫あれこれ
 「英語のフレーズを効果的に使う」という項目では、先々、英語のフレーズも必要に応じて使えるように、こんなアドバイスもしました。

「そもそも、英語のフレーズなんて思いつきもしない」というレベルなら、まずは、日常的に洋楽を聴きながら英語のフレーズになじんでいくところから始めるのがおすすめです。さらに言うと、聴いてるだけでは身につかないので、歌詞を見ながら歌うのが手っ取り早いですね。自分もBruce Springsteenの名盤の数々を聴きながら歌い、歌いながら聴くことを繰り返した時代がありました。

ちなみに、「サビの歌詞の作り方」でふれた「『数回あるサビの歌詞がすべて同じ』という名曲は存在します」というお話ですが、私が思い浮かべたのはこの曲。レッスンの最中にはお話しませんでしたが、ネタバレ、種明かしですね(笑)。ブルース・スプリングスティーンの「Hungry Heart」と言えば、スタジアムでのライヴなら5万人のオーディエンスの大合唱となる超名曲。幾度もリピートされるサビの歌詞は、誰もが歌いたくなる、叫びたくなるのにふさわしい普遍性のあるメッセージが込められています。


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2限目の内容は・・・

 まずレヴューしたのは、4度目の提出となる女性目線のラヴソング。このターム初回のレッスンで生徒さんに提示した「歌いやすく、覚えやすく、テーマを凝縮した強力なサビを作る」という今期のテーマに従って、だいぶ育ってきた歌詞をチェック、こんなコメントを伝えました。
 ・1番のサビについては、彼の人物像、設定を掘り下げたことで、素晴らしい完成度になりました!
 ・3番についても、概ね良い感じにまとまっています。
 ・2番のサビは、レッスンでお話しした通り、彼女のセリフでなくても良く、「うれしすぎて言葉が出ない様子」を描写しても良いかもしれません。
  ※曲先作詞で大切なのは、「メロディを尊重し、メロディに寄り添うこと」であって、「何が何でも企画書の内容をメロディに乗せること」ではないのです。企画書にまとめた内容からサビのフレーズが紡ぎ出せない場合は、改めてメロディと対話しながら、ベストな表現を模索しましょう。


続いてレヴューしたのは、さまざまな内容のスペシャルメニューを消化した後で制作を再開した「35歳にしてなお、東京でメジャーデビューの夢を追う男の歌」。生徒さんの実像やこれまでの作品からするとかなり遠い世界のお話でしたが、まずは、歌詞の世界観をリスナーにプレゼンする役割を担う冒頭の2行が形になったので、それについて言及。お伝えしたのは、こんなメッセージでした。
「導入にあたる1Aの2行が書けて、未知の世界への最初の1歩が踏み出せましたね!企画書のマーカーの箇所をトリガーとして、Bメロとサビのベストなフレーズを模索していきましょう!」

続いて、テキストには未掲載の㊙️ネタとして、自分から見て距離があるキャラクターを描く時のコツなども伝授。受講生の方は、いずれかの機会にお役立てくださいね。

 

さて、次回は幾度かトライしながら、まだ完成に至っていない「替え歌制作」のレヴューを行います。半年前に挑んだ際よりもスキルアップしている生徒さんが見せてくれるはずの成長ぶりに期待したいところです。

 

Power to The Songs!

 

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※写真下)店名を失念しましたが、大好きな京都でいただいた好物のおはぎ。見たこともない色味の真ん中のおはぎを見て、ハッとしました。マンネリに陥ることを良しとしない創意工夫の素晴らしさを感じました。ジャンルは違えど、大いに見習いたいところです。

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