吉里颯洋の年甲斐ない日記

作詞家・吉里颯洋のブログ

【ほぼ全文掲載】「ロッキンスター」NOBODY特集_#08 『NOBODY LIVE 2』

『ロッキンスター』と、俺とNOBODY

かつしかFMをキーステーションに全国28局ネットで放送されているラジオ番組「ロッキンスター」は、DJ佐々木健二さんのマニアックな選曲で、時代を超えたロックの名曲たちを紹介していく音楽プログラム。 タワーレコードでの『NOBODYレコードデビュー40周年リイシュー企画』に同期するように、同番組ではNOBODY特集をほぼ隔月でオンエアしてきました。某SNSに今でも存在するNOBODY関連のコミュニティで、私こと吉里颯洋とDJの佐々木健二さんが知り合ったご縁もあり、光栄なことに初回からゲストとしてお招きいただいています。本特集のコンセプトは、「我々共通のルーツであるNOBODYのアルバム1枚にスポットを当てて、その名曲の魅力をファン目線であれこれ語り合う」というもの。
今回は、2024年9月04日(水)、NOBODY2枚目のライヴアルバム『NOBODY LIVE 2』をテーマにオンエアされたトークをテキストにしてお届けします。トークの内容は熱心なファン2名がNOBODY愛をぶちまけているだけですが(笑)、「面白い!」と思ってくださったNOBODYファンの方がいたら、今後のオンエアをお楽しみいただけたら幸いです!
※以降、『J:佐々木健二さん / S:吉里颯洋』と省略して記載します。

佐々木健二少年、落胆の理由とは?

J 皆さま、ご機嫌いかがでしょうか?佐々木健二でございます!今夜は2ヶ月に1回やってくるNOBODY特集ということで、そのときには必ずこの方がいらっしゃいます。作詞家の吉里颯洋さんです。
S こんばんは。吉里颯洋です。よろしくお願いします!
J 今夜の「ロッキンスター」、NOBODY特集でピックアップするのは、『NOBODY LIVE 2』でございましてね。これはNOBODYレコードデビュー40周年記念の第6弾として、2023年の11月22日にタワーレコードからリミックス盤がリリースになったんですけど、オリジナルは1987年の4月6日のリリースでした。当時は同時にリリースされていたレコードとCDでは収録曲が違うんですが、僕はどっちも買いました。高校生の僕にはとても(出費が)痛かった思い出がありまして、我ながら奮発しましたね(笑)。
ただ、1曲目の「MOONLIGHT DANCER」を聴いて、「あ、これはちょっと駄目かも?」と思ったのが正直な感想なんですけども、詳しくは本編でいきましょうか。
という訳で、(テンション上げてタイトルコールを叫ぶ)ロッキンスターのお時間ですよ〜!(テーマ曲流れる)
さて、なんで当時の僕が、「あ、これは・・・?」と思ったのか、その訳をお話しますね。このアルバムが出たのが1987年の4月6日じゃないですか。アルバム「RESTLESS HEART」のリリースが86年の9月20日なんですよ。僕は「RESTLESS HEART」が出たときに、「(打ち込み主体のサウンドではなく)生のNOBODYが戻ってきた!」っていうふうに喜んだわけです。さらに、この『NOBODY LIVE 2』のリリース当時は、『NOBODY IS NOBODY / NORTH TO SOUTH』ツアーの真っ最中でして、僕は岩手県民会館のライヴに行ってるんですよ。自分が参加したライヴの曲順や選曲も良かったので、このライヴアルバムにはすごい期待してたんですよね。ところが、実際に音源を聴いてみると、楽曲はいいんですけど、ドラムの音にエフェクトがすごくかかっていて、生な感じじゃなくなっていて……。特にバスドラがね、なんか「ボフ、ボフ」って感じで(不自然に聴こえて)、あと全体的に何かリバーヴが強いというか、2人のギターの音がきちんとLR(左右)に振り分けられていずに、ギターが1人分しか聴こえてこないとかね。もしかしたら、かすかにLRで鳴ってるかもしれないですよ。でもせっかくのライヴ盤だったら、やっぱり、(はっきり聴き取れる状態で)2人のギタープレイを常に聴いていたいわけですよ。(アルバムを聴いた時に)それがなくて、結構残念だったんですよね。
S ライヴの会場じゃなくて、音源を聴いた時の感想ですよね?
J そうです。CDとレコードを聞いた時の印象ですね。でね、『NOBODY IS NOBODY / NORTH TO SOUTH』ツアーの開催期間は、1986年の9月20日から翌年87年の1月30日まででして、僕はツアー序盤の岩手県民会館でのライヴに行ったんですよね。1曲目は「MOONLIGHT DANCER」だったんですけど、実際の演奏ではもうちょっと長いイントロダクションだったと思います。ところが、リリース後のアルバムを聴くと、ライヴ会場で聴いた(正規のイントロ前にライヴ用に追加された)長いイントロはカットされていたのが不満でしたね。「会場で聴いた1曲目は、そんなフェードインじゃなかった!」みたいな……。「いや、違うんだよなぁ。会場でのリアルな演奏通りに、アレを入れて欲しかった!」みたいな感じの落胆がありましたね。
S たぶん、想像するに、幕が開いてNOBODYが登場する前に、木原さん、相沢さん抜きのバンドが演奏する長いイントロでお客さんが徐々に盛り上がってきて、2人の登場と共に「キター!」みたいな感じで、1曲目が始まるっていう演出だったのかと……。
J そうそうそう、そうなんですよ!
S そのライヴならではの盛り上げどころはアルバムではカットされていて、がっかりみたいな感じですかね。
J 今夜のために颯洋さんといろいろ選曲をしたんですけど、今回は揉めましたね(笑)。
S そうですね。いつもメールのやり取り1往復ぐらいで済むのに、「なんか全然もう決まらないよ」みたいな泣きを俺が入れて、「じゃあ、もう直接話しましょうか」みたいな感じで最終案をまとめましたね(笑)。
J 収録曲自体はとってもいいし、ライヴの流れも悪くないと思ってるんですけども、実のところ、高校生、また大学1年生だったか、買った直後に聴いて以来、このアルバムをまともに聞いてないんですよ。
S なるほど。やっぱり買った当初のトラウマがあって、遠ざけてきたと。
J それでもやっぱり、NOBODYのファンとしては、ちゃんと全部聴くべきだろうと思い直しまして。今回の特集のこともあって、ちゃんと向かい合って3回ぐらい聴いてるうちにだんだん慣れてきたんですよ。同時に、(オリジナル盤では聴けなかった)いろんなギターの音も聴こえてきて、「なんだこれ、カッコいいじゃん!」とか、「ちゃんと聞いてなかった僕、馬鹿馬鹿!」みたいな心境にもなり、今に至る感じですね(笑)。
S 「当時のいろいろな事情で思いのままにならなかった部分を少しでもリベンジして、今回のリイシュー盤を最終形として出そう」っていう、木原さん、相沢さん、お2人の意図は感じられるので、ぜひこの機会に、当時佐々木さんと同じ思いをされた方もリイシュー盤を聴いていただければっていう感じですけどね。
J 実は、今回のNOBODYレコードデビュー40周年記念のリイシュー企画の中で一番期待してたんですよ、この『NOBODY LIVE 2』を。これはリミックスされるだろうっていう期待も込めてですけど。ただ、「2MIX(の音源)しか残ってない」って言ってるから、(各楽器の音を個別に録音した)マルチ(音源)がきっとないんだろうなという予想もできましたから、「結局、今回も(根本的な音のバランスは)変えようがなかったんだ」っていう思いが、『LIVE 2』じゃなくて「がっかり2」だったんですよね(苦笑)。

ありがとう、ボーナストラック!

J ただオリジナル盤で選曲に漏れた曲がボーナストラックとして入っていて、それがVHSから起こした音なんで、結構生のまんまっていう印象で、それを聴いてね、トータルで考えた時に、やっぱり僕も颯洋さんも同じ感想だったんですけど、「NOBODYはやっぱりギターバンドであってほしい」っていう思いがあって……。それで今回追加されたボーナストラックとオリジナルの収録曲をトータルで考えれば、「はい、俺たちギターバンドでしょ?」みたいなことをもう1回、今回のリイシューで証明しよう的な(裏テーマも感じて)……。
S 最終的にそういう落としどころに持っていきたくて、ボーナストラックの曲は選ばれてるなっていう感じはしますね。
J 1曲目は「MOONLIGHT DANCER」から始まって、「RESTLESS HEART」「BLUE IN PARADISE」て続くんですけど、その次の「JOHNNY BE BAD」。これは僕も颯洋さんも「この曲は選ぼう!」っていう評価でしたね。だけど、この曲も最初の頃はトラウマだったんですよ。途中の(ヴォーカルがオフになる)間奏の時に、何か意図的にフェーダーを上げたような形でオーディエンスの歓声が(ヴォリュームが上がって)「ワー!」って入ってくるんですよ。それがね、70年代のKISSのライヴ盤みたいで、「嘘っぽいな」っていう感じが否めなくて。もちろん、歓声自体は(その場で録音された)本物だと思うんですけど。それもあって、ちゃんと聞けなかったんですけど……。
S それって、今回のリミックスで直ってるんですか?
J 直ってないですね。オリジナル盤とほぼ同じです。颯洋さんが「JOHNNY BE BAD」を選んだのはなぜですか?
S かなり演奏が盛り上がってますし、ライヴで盛り上げる意図も含めて相沢さん的に力(りき)入れて作った曲なんじゃないかなっていう気がして、貴重なライヴ音源をこの機会にお届けしたいなという気持ちで選びましたね。かの有名なロックンロールのスタンダードナンバーである、チャック・ベリーの「Johnny B. Goode」のオマージュでもありますけど、それもまた魅力で……。「Johnny B. Goode」の歌詞のストーリーは、「(アメリカ南部の)ルイジアナの少年がロックンロールと出会って、ギターを覚えて、ガンガン行くぜ」みたいな、そんな感じだったと思うんですけど、この「JOHNNY BE BAD」の歌詞は、それを踏まえつつ、NOBODYなりの「ワイルドで行こうぜ」的なテイストで、「NOBODYのワイルド系なロックナンバーではかなり推せる曲なんじゃないかな?」っていうのが選曲理由でしたね。このライヴ・ヴァージョンは、デモの時点の英語詞と日本語詞がちゃんぽんなんですけど、♪今日こそ彼女にTRY TO KISS 迷いやすい愛を抱きしめるのさ〜 って歌詞は、ちょっとヘタレな少年に向かって「君はもっと行けるぜ、頑張れよ!」みたいに背中を押してあげてるような、そういうメッセージにも聴こえますけど、Bメロの憂いのあるメロディと相まって完成度が高いなと。
J 僕の選曲理由は、5曲目の「JOHNNY BE BAD」で、たぶん初めて2人のギターが鳴ってるんで、そこですね。おそらく左が相沢さんで、右が木原さんだと思うんですよ。総じて、この曲は結構ハードに弾いてるんですよね。曲の構成がAメロからBメロ、Aダッシュ、Bダッシュって続くんですけど、AメロBメロのところで、木原さんが「♪ンッチャー、ガガガ、ンッチャー」っていう感じのバッキングのフレーズをで弾いてるんですよね。相沢さんも同じような感じで弾いてんのかな?Aダッシュのパートに行く時に、木原さんのオブリガードが入るんですよ。そこの後のバッキングのフレーズがね、刻みの(ダウンピッキングの)「♪カッカッカッカッ カッカッカッカッ」に変わってるんですよ。これが、僕的には結構、痺れポイントで。「うぉ!木原さん、ノってる!」って感じで。 後半の方のAメロとかに行くとまた元のバッキングに戻ってるんで、そこだけなんか(盛り上がった)テンションを感じるんですよ。
S そこは、ライヴならではの弾き方をしてたと?
J 「じゃないかな?」って気がするんですけど、早速聴いてみましょうかね。今夜の『ロッキンスター』はゲストに吉里颯洋さんをお迎えして、NOBODYレコードデビュー40周年記念第6弾として、タワーレコードから限定リリースされた『NOBODY LIVE 2』を紹介しています。
このアルバムに収録されているのは、1987年1月21日の渋谷公会堂のライヴですね。まずは、「JOHNNY BE BAD」、行きましょう! ♪〜〜曲が流れる〜〜 


www.youtube.com

J 今夜の『ロッキンスター』は、NOBODYレコードデビュー40周年記念第6弾として、2023年の11月22日リリースになった『NOBODY LIVE 2』をご紹介しています。収録されたライヴは1987年1月21日渋谷公会堂でのライヴなんですけども、その中に収められている「JOHNNY BE BAD」を聴いてもらいましたけれども、いかがですか?
S いやノリノリというか、バンドの演奏がロックしてるという意味では、NOBODYのオフィシャルなライヴ音源の中ではかなり出来がいいんじゃないですかね。
J スネアも割とこの曲はより生っぽく録れているかなって感じはあって、やっぱり木原さんがかなりノってるなっていう感じの演奏に聴こえてくるんですよね。やっぱね、「♪ジャーン!」っていう音よりも、「♪ッチャーカ、チャ」っていう感じで、頭にタメが入ったりすると、「行くぞ!」っていう雰囲気を感じるんですよ。あれがね、ライヴの醍醐味なんですよね。レコーディングされた音源では「♪ジャーン!」だけなのに、ライヴではあえて「♪ッチャーカ、チャー」とか弾かれると、聴いてるこちらもアガるという(笑)。 
S 微妙にギターの手数が増えたりすると、うれしくなるというファン心理(笑)。
J そうそう。「俺、(飛ばして)行くからね!」って感じに聴こえるんですよね。だから矢沢ファミリー時代の演奏でも、武道館ライヴの音源を聴いたりすると、そういう(ライヴならではの前のめりなノリのフレーズ)があるんですよね。あと(8ビートで)刻んでる感じとかも(ライヴならではのグルーヴを感じることがあって)結構ね、ブルっと(身震いが)きちゃうみたいな。今回の「JOHNNY BE BAD」はアルバムにもう一度向き合って聴き直して発見したこのアルバムの聞きどころかなと思ってます。
S なるほどね。今ずっと曲が流れている最中に、「木原さんがこう弾いてるのでは?」という推測のもとに、佐々木さんがエアギターの実技でNOBODYのギタープレイを再現してくださったんで、味わい深さもひとしおでした(笑)!
J どうしてもね、ライヴならではのNOBODYの姿を伝えたかったんですよ(笑)。
S 今の佐々木さんのエアギターを映像に撮って、ご本人たちに見せたかったなっていう(笑)。「佐々木さんが想像してるギターの弾き方、正解ですか?」ってご本人たちに尋ねたら面白いなと思いました(笑)。
J 全然違う可能性も大アリで、あくまでも僕の推測、空想の世界なんで(笑)。

ギターがジャパメタ風味(?)だった名曲とは?

さて、次に紹介する曲は、「ONE-WAY HEART」ですが、これも僕と颯洋さんが揃って選曲をした曲でした。颯洋さんはどの辺がポイントでした?
S NOBODYのライヴの特徴として、他のアーティストの方に提供した楽曲をセルフカヴァーで歌うことがよくあったと思うんですけど、これはガールズバンドのSYOW-YAに提供した曲で、NOBODYヴァージョンと提供した後のSYOW-YAが歌ったバージョンと、「ONE-WAY HEART」というタイトル同じなんですよね。
アンルイスさんが歌った「LUV YA」とか吉川晃司さんが歌った「モニカ」をはじめ、NOBODYはたくさんの楽曲をいろんな方に提供してますけど、この曲のサビの頭の「ONE-WAY HEART」っていう1ワードがばっちりメロディにハマってますから、「SYOW-YAヴァージョンの作詞を手がけた川村真澄さんは、木原さんが作ったデモのフレーズを生かして、作詞をされたのかもしれないな」というのが想像です。要は、「ONE-WAY HEART」というワードは、元々のデモにあって、そのまま生かして、残りの歌詞を仕上げたのでは?ということです。
J 確かに、サビのド頭の「ONE-WAY HEART」という箇所は、やっぱりメロディとリズムにフィットしてますよね。「♪ONE-WAY HEART」ってフレーズに、とってもロックっぽさを感じるというか。記憶が定かじゃないんですけど、当時のツアーではこの曲がアンコール1曲目だったような気がするんですよね。
S もしも、SYOW-YAヴァージョンがNOBODYのツアーよりも先に世に出ていて楽曲が知られてるんだったら客席は盛り上がりますけど、実際はどうだったんですかね?
J 分かりません。でも俺は、(SHOW-YAヴァージョンで)この曲を知っていたような気がする。(この曲の演奏が始まった時)ワーっていうふうに客席が盛り上がったようなおぼろげな記憶もあって……。思い出しましたけど、あの当時、80年代のコンサートって、アンコールになるとみんな席を立って、ステージに向かって前方に押し寄せるっていうのが儀式だったんですよね。
S なるほど。当時は会場の警備も緩かったんですね、きっと。
J 緩かったですよ。警備員とか、(観客の移動を)止めなかった。むしろ、「アンコールはそういうもんでしょ?」っていう(暗黙の了解があった)。だから、(会場にいるなら、アンコールでは)いち早く前に行きたいわけですよ。そもそも、ステージを見るだけなら、真ん中の席が一番いいじゃないですか。でもできるだけ、通路に近い座席を希望してたんですよ。
S アンコールが始まったら、通路側の席の方がダッシュしやすいですもんね(笑)。
J (笑)。アンコール1曲目は、なんかこれだったような気するんだよなぁ。「ONE-WAY HEART」と「DON'T YOU GO」は一緒だったような気がするんだよな。
S 今ちょっと調べたんですけど、SYOW-YAヴァージョンのリリースが1986年8月22日なんで、このアルバムに収録されたNOBODYのツアーより前じゃないですかね。オリコン最高チャート69位だったらしいですけど、そこそこのインパクトあったと思うので、SHOW-YAの「ONE-WAY HEART」を知ってる人がNOBODYのオリジナルをライヴで聴けたら、「お!」ってなると思うんですよね。
J なります! 思い返すと、あの頃ね、なんかNOBODYの曲を1曲でも多く聴きたいっていう気持ちで、他のアーティストに提供された曲もできるだけ聞いてた記憶があるんですよ。(NOBODYの楽曲聴きたさに)山本達彦さんのアルバムも買ってたし、吉川晃司さんのアルバムに「彼女はアイスウォーター」とか、NOBODYが作った曲が入っていて、セルフカバーもされてないし、レアトラックにも入ってなくて、そういうのもほぼほぼ全部聞いてましたもん。だから、「ONE-WAY HEART」が演奏された時って、「おお!」っていう感じはあったかな。何より、僕がこの曲に感動したポイントは、当時も今もですけど、弾いてるのは木原さんだと思うんですけど、(曲の途中で入る)♪ジャンジャカ、ジャンンジャカ〜って刻む感じのバッキングのフレーズを聴いて、「ジャパメタできたか!」と思いましたね(笑)。あのバッキングを聴いて、すごいノったんですよ。当時ってアースシェイカーとか、その手のバンドが全盛期だったような気がするんですけど、そういうバンドの曲だと、あれって定番のバッキングなんですね。なので、ライヴで聴いた時の第一印象は、「ジャパメタできたか!」っていうのと、ギターソロを弾いてたのは相沢さんだったはずで、「すごいノってる曲調なのに、クールに弾いてるのがかっこいい」と思ったっていう……。あと覚えてるのは、♪ONE-WAY HEARTっていうフレーズがサビに3回ありますけど、その2回目を歌う時に、必ず木原さんが少し「こぶし」を入れるんですよ。♪ワンウェイハアア〜みたいな感じで。ストーンズとかビートルズって、(ライブの際に)綺麗じゃなく、ラフにハモったりするじゃないですか?それに似た感覚で、あれを聴いて、「カッコいい!」と思ったの覚えてる(笑)。
S いいな、佐々木少年の受け方がマニアックで(笑)。
J  大したことじゃないんですけどね(笑)。颯洋さん、改めて曲を紹介してください。
J NOBODYで、「ONE-WAY HEART」♪〜〜曲が流れる〜〜 


www.youtube.com

 J 今夜のロッキンスターは作詞家の吉里颯洋さんをお迎えして、2ヶ月に1回のNOBODY特集として、NOBODYレコードデビュー40周年記念第6弾としてリリースされた『NOBODY LIVE 2』を紹介しております。リイシュー盤は2023年の11月20日にリリースされてますが、オリジナル盤のリリースは1987年の4月6日、収録されているライヴは97年の1月21日に澁谷公会堂で収録されてます。 颯洋さん、僕ね、このツアーでNOBODYのライブを見たわけですけど、それまでにNOBODYは(僕の地元の)岩手県に3回来てるんですよ。1回目は1985年の4月頃で、「On Stage 85 NIGHT WALKER」っていうツアータイトルでした。その次に見たライヴが同じ年の「NOBODY Autumn TOUR」での盛岡公演。で、自分が体験した岩手(盛岡市)でのライヴは、このツアーで3回目なんですよ。3回目になってくるとMCもずいぶん砕けた感じで、すごくよく覚えてんのが、木原さんだったと思うけど、「ホールの目の前に、綺麗な流れてんね!」とか話してましたね。確かに、中津川っていう川がホールの側にあるんですよ。「あまりにも川が綺麗だから、そこ行ってさ、釣りしちゃったよ!」とかって言ってて……。「あ、木原さん、釣りしてたんだ!(中津川に)行けばよかった!」とか、思いましたね(笑)。それ、すごい覚えてる。
S そういや、ライナーノーツに、「(当時のツアー中に)海釣りして楽しかったよね」とか書いてありました。
J 本当ですか? (盛岡市内の)中津川は川ですけど、きっとツアー中にあちこちで木原さんは釣りを楽しんでたんじゃないですか。
S このアルバムのライナーノーツには当時のツアースケジュールの記載があって、すごい本数があって驚いたんですけど……。
J そうなんですよ。当時のチラシとか資料とがいろいろあるんで、それと照合して、いつか「この時期のここからここまでが○○ツアーだろう」っていうのを紹介しようかと思ってますけど……。ちなみにね、一番最初にNOBODYが盛岡市に来た1985年4月18日ですけど、チケットを僕が率先して同級生たちの分も含めて4人分取ったんですよ。「俺が連れて行く!」って感じで意気込んでましたから、思い返すと僕がリーダーですね。ところがその日、おばあちゃんが亡くなっちゃって。本当ね、今考えると不謹慎だけど、お通夜に行くのをやめようかなと迷うほど、NOBODYのライブにはどうしても行行きたかったの。でも、当時の僕は、まだ高校1年生。「でもやっぱな、ずっと育ててくれたおばあちゃんだから、行くならそっちだよな」っていう気持ちになって、友達にこう言った覚えがあって。帽子か何かを友達に預けて、「これを俺の席に置いてくれ」って言ったのを覚えてる(笑)。
S 結局、自分のチケットは誰かに譲らなかったんですね。
J (笑)。それは覚えてます。話をアルバムに戻しますと、この『NOBODY LIVE 2』では、先ほど申し上げましたけども、「NOBODYはギターバンドである」っていう再認識のきっかけになったのは今回解禁されたボーナストラックで、これを聞いて「やっぱり、NOBODYはこうだよね!」っていう腑に落ちた思いがありました。ボーナストラックの方が、ギターが前面に出てる曲が多いですもんね。
S そうですね。このリイシューのシーズで一番ボーナストラックに意義があるって言ったら変ですけど、リリース当時のオリジナルアルバムを聞いて若干違和感を感じたとか、物足りなかったなと感じた方がいたとしても、今回のDisc2に収録されたボーナストラックを聴いていただくと、かなりその部分が補完されるというか、埋め合わせできるのかなと思いますね。本来我々が期待しているNOBODYならではのギター・サウンドがちゃんと聴けるので、そこは良かったかなと思いますね。
J 何で「EVERYBODY SHOUT」を選んだかっていう話をしたいんですけども、颯洋さんはどういう理由で?
S 「From A Window」の特集の時にも言ったんですけど、この曲を作った時点でライヴでオーディエンスを盛り上げる感じをイメージして作ったんだろうなって想像してましたから、このアルバムでライヴ・ヴァージョンが聴けたので、ちゃんとオチがついたって言うと変ですけど、腑に落ちたというか、想像してる通りに会場が盛り上がってるんで良かったなという印象でした。あと感じたのは、お客さんの声が想像してた通りで、NOBODYと同世代じゃなくてもうちょっと若いオーディエンスの方がライヴを観に来てたんだなということが伝わってきましたね。
J 当時、NOBODYのお二人自身も、「おじさんたちも頑張ってるからさ」とかって、MCでよく言ってました。当時の僕は高校生、大学生頃なんで、「30過ぎてたら、やっぱりおじさん」っていうイメージはあったんで、相沢さんが「おじさんたちも頑張ってるもんね」とかよく言ってた記憶がありますね。
S 当時のファン、お客さんから見たら、NOBODYはちょっと年上の兄貴っていうか、「ギターのうまい兄貴たちが歌ってる」みたいなそういう感じだと思うんすけど、やっぱり、楽曲がポップな曲はとことんポップなので、若い世代に慕われたんだろうなっていう気がしますよね。
J 僕はね、「EVERYBODY SHOUT」はイントロのギターのカッティング、♪チャッチャッチャッ、チャッチャッチャッチャッってところは木原さんが弾いてるんですけど、アルバムだとすごいナチュラルトーンで、すごいカッティングのタメが効いてるんですよね。♪チャーツク、チャーツク、チャッ、みたいな感じで、よりグルーヴが出る弾き方をしてるんですけど、ライヴだと同じように弾いてる可能性もあるんですけど、ディストーションが効いているせいで、(タメがないストレートな弾き方の)♪チャッチャッチャッ、チャッチャッチャッチャッとしか聴こえない。それをひと回しした後に、アルバムバージョンだとそのフレーズはなくなるんですよ。でもね、ライヴだと木原さんがずっと弾き続けるんですよ。そこがねなんかね、「ルーズでかっこいいな」と思ってて……。あと、この曲って、相沢さんがリードボーカルで歌って、相沢さんがギターソロを弾いてるんですよね。当時ね、「自分で歌って自分でソロ弾いて、美味しいとこ全部やるんだ!」ってびっくりした覚えがあって……。
S 基本的にNOBODYの場合は、お2人が自分で作詞作曲した歌は作った本人がリードボーカルもやりますよみたいな形で、はっきりしてるじゃないですか。だからそこが特徴というか、ビートルズっぽいんですけど、ライヴに行って初めて、本当にこういうふうに自分で作った曲はギターソロまで弾いてライヴでもやりきるんだ。そういう明快な分業制なんだっていうのは、よりビジュアルで明快に分かりますよね。 
J あと間違ってるかもしれないんだけど、ボーナストラックに限って、ギターのLRが逆になってるような気がする。
ステージから見ると左側に相沢さんが行って右に木原さんがいるんで、さっきの「JOHNNY BE BAD」はそうなってるんですよ。でもボーナストラックだと、(ギターの配置が)逆のような気がする。
S それって、今回のボーナストラックの音源をVHSのビデオテープから起こしたっていうことと何か関係あるんですかね?
J 実際のところはどうなんだろうなっていう感じですね。
S ライナーノーツによると、VHSから起こしたせいで音質の違いもあるから、ボーナストラックCDを分けたんだっていうことらしいですね。
J じゃ、曲紹介を。
S NOBODYで「EVERYBODY SHOUT」♪〜〜曲が流れる〜〜 


www.youtube.com

ライヴでのコーラス練習が楽しかった名曲とは?

J このボーナストラックはいいっすよ、(サウンドが)かなり生で!やっぱ、ギターのLRは、実際と逆だと思うな。左側が木原さんのギターになってますから。だから、ステージから客席を見てるっていう感じで聞けば(実際と同じで)リアルかなっていう……。さて、もう1曲は何かと言うと、「MTV SHOCK」を最終的には選んだんですけども、颯洋さんの選曲理由は何でした?
S 歌詞の内容は、「彼女がMTVに夢中で気もそぞろ。ちょっとこっち向いてくれよ」みたいな感じの曲なんですけど、♪Too much Rock'n'Roll とか、♪Too much rhythm and blues みたいな腑レースが登場しますが、実際の当時のMTVで流れていたポップな曲を考えると、ちょっと現実とは異なる願望込みの(?)ワードが歌詞に入ってるのが面白くて選びましたね。あと、♪Do you really want to hurt me?って、当時流行ったカルチャークラブのヒット曲「君は完璧さ」のタイトル、サビのフレーズをそのまま引用してますよね。かなり流行りの音を織り交ぜて当時の世相を歌いながらも、曲調はロックっていうひねり具合がいい塩梅かなという印象でした。
J あの当時のMTVといえば、本当に若者たちが飛びついたものの一つですからね。MTVに彼女はすっかり心を奪われて、俺の話は全然聞いてくれねぇみたいな感じは、今の時代なら「スマホショック」みたいな感じですよね(笑)。
S (笑)。スマホですかね(笑)?「YouTubeショック」とか、「TikTokショック」とか?
J 昨今なら、そんな感じになるかもですかね。この曲で思い出深いエピソードをお話ししますと、この音源には入ってないんですけど、オーディエンスに歌わせるために、演奏前にコーラスの練習をするんですよ。この曲を演る前に、NOBODYのお二人が「会場(客席)を3つに分けます」って言って、AとBとCって客席を3つのエリア(右側、中央、左側)で分けてから、サビのところの♪アー、アー、アーってフレーズを、1フレーズずつ、エリア別に分けたオーディエンスに歌わせるという「シンガロング企画」が恒例でしたね。Aが最初の「アー」、Bが次の「アー」、Cは最後の「アー」、とか、ディレクションしてくれて、「はい練習するよ!」って掛け声のもとに、客席のオーディエンスがエリアごとに「アー」、「アー」、「アー」、って歌って、コーラスだけのリハをやる時間があって。で、実際の本番では、2人がね、指差しでABCってサインを出して、そのエリアのお客さんが「アー」って歌う感じでしたね。だからそこの部分って、ギターの音が入ってないんですよね。ほぼ弾いてないから。
S あぁ、ギターから手を離して、客席に向かってサイン出してるから、
J そうそう、そうそう。そうなんですよ!あれはね、The Beatlesの「Twist&Shout」のサビの箇所みたいで、楽しかったなっていう記憶がありますね。 S そういう楽しい演出は映像で見たいですよね。
J この曲でコーラスの練習したのは、鮮明に覚えてますね。「みんな、やってみるよ!」って言われて(会場で歌ってみて)「うわーいいなぁ!」と思ったもん(笑)。とはいうもののね、演奏そのものも素晴らしくて、イントロのフレーズはキーボードから入るんですけど、すかさず木原さんがね、同じフレーズをギターで♪ジャンカジャンカジャンカジャンカって演るんですよ。これがまたね、『LIEVE ワン!』に入っている「MAD DREAMER」ばりに、すごいノってるんですよね。もちろんこの曲のギターソロは木原さんなんですけど、ライブではピアノソロから入って、次にギターソロが展開するっていう流れで……。だけど、♪ツカッ、ツカッ、ズズ、ツカッ、ツカッ、ズズていうなバッキングは、相沢さんなんですよ。これが、キレッキレでかっこいいの!
S なるほど、結構、この時代のライブを観みて初めてわかるNOBODYの魅力は、語りきれないほどありますね。やっぱりスタジオテイクと違うグルーヴっていうか、ライヴならではのノリノリの演奏の魅力というか、ライヴだからにじみ出るようなモノがありますよね。
J そういう意味では本編に入ってる「DARLING DARLING」もエンディングはちゃんとありますからね。「NIGHT WALKER」に収録されているオリジナルはフェードアウトだけど、そういうライヴならではのアレンジを味わう楽しみはありますよね。ちょっと皆さんに楽しんでもらいましょうかね。はい。曲紹介お願いします。
S NOBODYで「MTV SHOCK」。♪〜〜曲が流れる〜〜 


www.youtube.com

J 今夜のロッキンスターは吉里颯洋さんをお迎えして、NOBODYレコードデビュー40周年記念第6弾として、オリジナルは1987年4月6日発売され、2023年の11月20日にはリイシュー盤がタワーレコードからリリースされました『NOBODY LIVE 2』をご紹介しました!たっぷり楽しんでもらいましたけども、颯洋さん、いかがだったでしょうか?
S やっぱり、好きなバンドの曲をラジオで聴くといいなっていうね。改めて、そういう感慨がありました。 
J そういう感覚はありますよね。僕らもそうですけど、ラジオで好きな曲が流れてくると、興奮しますよね。今さらながらですけど、さっきかけた「EVERYBODY SHOUT」と、それと「MTV SHOCK」は今回のリイシュー盤のボーナストラックで聴けましたけど、この2曲はね、このアルバムの本編に入っていて欲しかったなと。なぜなら、この頃のツアーでは欠かせない、強烈な盛り上げ曲だったんですよ。(ライヴの後半で)「PLEASURE SYNDROME」あたりから始まって、この2曲に続いていくっていうシークエンスが絶妙で。でもこうやってボーナストラックで聴きたかった曲が改めて聴けたのは、リイシューのいいところですよね。
S そうですね。リイシューのありがたみを感じられるリリースでしたね。
J 次の特集は、いよいよ、『HALF A BOY HALF A MAN』ですね。これで(サウンドは)ずいぶんとアーシーな感じになってきますね。
S そうですね。このアルバムは、何となくちょっとアメリカンなテストもあったりで、好きなアルバムなので、楽しみですね。今度は選曲に悩まず、スパッといけると思うんで(笑)。
J そうですか(笑)。僕もね、あのアルバムは、結構好きなんですよね。ちなみに今流してる「「SHAKE SHAKE SHAKE」」ですけど、ライヴで演り始めた一番最初の頃はね、木原さんがイントロでギターを弾き始めた後、リズム隊が入らないまんま、相沢さんも弾き始めて、ツインリードになるの、そうやって曲が始まるんで、「かっこいい!」と思ってた記憶がありますね。今ちょうど流れてるところですけど、演奏途中でメンバー紹介してますもんね。こういったところもやっぱライヴテイクならではのいいころかと思います。
S そうですね!時間があれば、これを流したかったっていう(笑)。
J (笑)。っつう訳で、今夜のロッキンスターはいかがだったでしょうか? 1時間お付き合いいただき、ありがとうございました!来週もカッチョイイ曲を持って君をすきますんで、よろしくお願いします。そしてまた2ヶ月後に、颯洋さん、よろしくお願いします。
S お願いします!
J それでは皆さん、また来週!

にほんブログ村 音楽ブログ 作詞へ
にほんブログ村

リクエスト、メッセージお待ちしてます!

これから特集予定の以下のアルバムの収録曲で、「ぜひかけて欲しい」「いま一度、全国のNOBODYファンに知らしめたい」、そんな曲がありましたら、それぞれの曲への思い入れを添えて、こちらのメールフォームまでぜひお寄せください!
BAD RHYME
『FUZZ FUZZ FUZZ』
RARE NOBODY
『THE SONG BOOK NOBODY』


www.youtube.com


www.youtube.com

ARCHIVES

過去のオンエアのトークは、以下の記事で公開しています。

【ほぼ全文掲載】「ロッキンスター」NOBODY特集_#07 『GOT A FEELING』

【ほぼ全文掲載】「ロッキンスター」NOBODY特集_#06 『RESTLESS HEART』

【ほぼ全文掲載】「ロッキンスター」NOBODY特集_#05 『From A Window』

【ほぼ全文掲載】「ロッキンスター」NOBODY特集_#04 『NIGHT WALKER』

【ほぼ全文掲載】「ロッキンスター」NOBODY特集_#03 『LIVE ワン!』